1.短期金融市場の仲介業者
■ セントラル短資
日本最大の短資会社。
短資会社とは短期金融市場の仲介を行う業者である。私たちが株や債券などを長期金融市場で取引をするときは証券会社に行くだろうし,土地やマンションなどを不動産市場で取引をするときは不動産会社に行くだろう。それと同様,金融機関がコール取引などを行うときは短資会社に仲介してもらう。短資会社はコール市場において単純に売り手と買い手をマッチングさせる業務(ブローキング業務)以外にも,有担保コール市場などにおいては自己ポジションで取引を行う業務(ディーリング業務)も行っている。
短資会社は戦前,「ビルブローカー銀行」と呼ばれていた(ビルとは短期証券の意味)。その後は短資会社と呼ばれるようになり,戦後はコール市場の媒介を担当するようになった(コールブローカー)。バブル期は7つの短資会社が存在し,うち英国との合弁会社であるハトリ・マーシャル短資を除く6社が日銀と強い関係にあったとされている。バブル崩壊後,短期金融取引の縮小などを受け,日本から撤退したハトリ・マーシャル短資以外の6社は3社へと再編された。